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  • 信号改善機能によって CAN-FD トランシーバの真の可能性を引き出す方法

    • JAJA695 April   2022 TCAN1462-Q1 , TCAN1463-Q1

       

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  • 信号改善機能によって CAN-FD トランシーバの真の可能性を引き出す方法
  1.   商標
  2. 1SIC とは
  3. 2Classical CAN と標準 CAN-FD の制限
  4. 3CAN SIC によりバス・リンギングが低減される理由
  5. 4テキサス・インスツルメンツの TCAN1462 デバイスの実験結果
  6. 5テキサス・インスツルメンツの CAN SIC デバイス
  7. 6CAN SIC の利点
  8. 重要なお知らせ
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TECHNICAL WHITE PAPER

信号改善機能によって CAN-FD トランシーバの真の可能性を引き出す方法

このリソースの元の言語は英語です。 翻訳は概要を便宜的に提供するもので、自動化ツール (機械翻訳) を使用していることがあり、TI では翻訳の正確性および妥当性につきましては一切保証いたしません。 実際の設計などの前には、ti.com で必ず最新の英語版をご参照くださいますようお願いいたします。

商標

Other TMs

1 SIC とは

信号の改善は、CAN-FD トランシーバに追加される付加的な機能であり、複雑なスター・トポロジで信号のリンギングを最小化し、実現可能な最大データ・レートを改善します。CAN SIC トランシーバは、ISO (国際標準化機構) 11898-2:2016 の高速 CAN 物理層規格と、CiA (CAN-in-Automation) 601-4 の信号改善仕様の仕様以上である必要があります。

通常の CAN-FD トランシーバを 図 1-1 に示します。ここでは、CAN バス信号には 900mV (CAN レシーバのドミナント・スレッショルド) を超えて 500mV (CAN レシーバのリセッシブ・スレッショルド) 未満にもなるリンギングがあり、受信データ (RXD) のグリッチを引き起こしています。CiA 601-4 に関連して、CAN SIC 機能のトランシーバによりバス信号のリンギングが低減し、正しい RXD 信号になることを 図 1-2 に示します。

図 1-1 SIC を使用しない CAN バスと RXD の波形
図 1-2 SIC を使用した CAN バスと RXD の波形

電気的パラメータの点で、CiA 601-4 準拠の CAN SIC トランシーバは、表 1-1 に示すように、通常の CAN-FD トランシーバと比較して、はるかに厳密なビット・タイミングの対称性とループ遅延の仕様を実現しています。送信パスと受信パスの遅延を分離することで、システム設計者は他の信号チェーン・コンポーネントが存在する場合にネットワーク伝播遅延を明確に計算できます。ただし、CiA 601-4 で指定されているタイミングがデータ・レートに依存せず、2Mbps と 5Mbps の両方の動作に当てはまることに注意が必要です。

表 1-1 CiA 601-4 と ISO 11898-2 のタイミング仕様の比較
CiA 601-4 仕様 ISO 11898-2:2016 仕様
パラメータ 表記 最小
[ns]
最大
[ns]
最小
[ns]
最大
[ns]
信号改善時間 TX ベース tSIC_TX_base N/A 530 N/A
送信されるビット幅変化 ΔtBit(Bus) –10 10 –65 (2Mbps の場合) 30 (2Mbps の場合)
–45 (5Mbps の場合) 10 (5Mbps の場合)
受信ビット幅 ΔtBit(RxD) –30 20 –100 (2Mbps の場合) 50 (2Mbps の場合)
–80 (5Mbps の場合) 20 (5Mbps の場合)
レシーバのタイミングの対称性 ΔtREC –20 15 –65 (2Mbps の場合) 40 (2Mbps の場合)
–45 (5Mbps の場合) 15 (5Mbps の場合)
トランスミッタ・データ (TXD) からバス・ドミナントまでの伝搬遅延 tprop(TxD-busdom) 80 ループ遅延 (TXD からバス、RXD まで) のみを最大 255ns で規定
TXD からバス・リセッシブまでの伝搬遅延 tprop(TxD-busrec) 80
バスから RXD ドミナントまでの伝搬遅延 tprop(busdom-RxD) 110
バスから RXD リセッシブまでの伝搬遅延 tprop(busrec-RxD) 110

2 Classical CAN と標準 CAN-FD の制限

第 1 世代の CAN プロトコルの ISO 11898-2 (Classical CAN とも呼ばれる) は 1993 年頃にリリースされました。このプロトコルで許可されるペイロード・データ転送は 8 バイトのみで、最大指定データ・レートは 1Mbps です。CAN バスを使用して相互に通信する多数の電子ノードが車両に搭載される車載用アプリケーションでこの仕様の限界はすぐに現れました。

CAN-FD プロトコルの仕様は 2015 年ごろにリリースされ、ペイロードの長さは 64 バイトに増し、データ・フェーズの最大信号速度も 5Mbps に増加しました。ただし、Classical CAN との下位互換性を確保するため、アービトレーション・フェーズの信号レートは引き続き 1Mbps に制限されていました。

CAN-FD はより高速なデータ・レートとペイロードの増加という利点をもたらしましたが、車両の CAN バス・ネットワークに追加される ECU の数は増加の一途をたどり、十分には対応できませんでした。設計者は、複雑なスター・ネットワークによって生じるバス・リンギングが正しい信号通信に影響し、CAN FD トランシーバの潜在能力を活用できないことに気付きました。図 2-1 は、スター・トポロジの例です。

図 2-1 スター・ネットワーク接続の CAN ノード

複数のスタブを使用する複雑なスター・トポロジでは、バス上で伝送される信号のインピーダンス・ミスマッチが発生し、反射を引き起こします。これらの反射により CAN バスが歪み、発振が引き起こされます。このため、サンプリング・ポイントでの CAN バス・レベルと RXD の誤りが発生します。このようなネットワーク効果は CAN-FD ネットワークに固有のものではありませんが、低速動作する Classical CAN はビット持続時間がこれより長いため、図 2-2 に示すようにバスのリンギングが減少し、正しいビットのサンプリングが可能になり、正しい通信が行われていました。

図 2-2 Classical CAN 速度の CAN バス・リンギングと RXD グリッチ

5Mbps の CAN-FD 動作では、複雑なスター・トポロジでリンギングがなくなるまでの時間に対して 200ns のビット持続時間が短すぎるため、信頼性の高いデータ通信が損なわれます。このことから、システム設計者は 5Mbps で CAN-FD を使用できませんでした。

最新の車両におけるネットワーク・データ交換の増加とスループットの高速化の要求から、より高速でネットワークのフレキシビリティと拡張性を高める次世代の車内通信バス・テクノロジーに向けて CAN SIC が推進されています。

 

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